【モバイル対応】第8回先端的がん薬物療法研究会

第8回公益財団法人広島がんセミナー先端的がん薬物療法研究会報告 

テーマ「がん個別化療法の展開」

2020年1月12日(日) 10:00~17:00  in グランドプリンスホテル広島

 1.遺伝子パネル検査に基づいたがん個別化治療の展望
    西尾 和人 近畿大学医学部ゲノム生物学教室教授
 2.頭頸部がんの個別化治療の新しい展開 (共催:MSD株式会社)
    田原 信 国立がん研究センター東病院 頭頸部内科 頭頚部内科長
 3.ランチョンセミナー New  treatment  strategies  for  gastric  cancer
    吉田 和弘 岐阜大学大学院腫瘍制御学講座・腫瘍外科学分野教授
 4. 大腸がんの薬物療法の”個別化” (共催:メルクバイオファーマ株式会社)
    市川 度 昭和大学藤が丘病院副院長/腫瘍内科・緩和医療科長教授
 5. 肺がん治療の個別化の現状および変遷
    倉田 宝保  関西医科大学附属病院呼吸器腫瘍内科診療科長教授
 6. 乳がんの個別化治療の新しい展開
    佐伯 俊昭 埼玉医科大学国際医療センター乳腺腫瘍外科教授

  第8回本研究会は、テーマ「がん個別化治療の展開」の元、がん遺伝子パネル検査に基づいたがん個別化治療の実践医療の概説、そして、頭頸部がん、胃がん、大腸がん、肺がん、乳がんのがん個別化治療の新しい展望等について、6名の講師がそれぞれ報告し活発な質疑応答が行われた。
 特に、1の西尾教授による「遺伝子パネル検査に基づいたがん個別化診断の展望」では、がんの発生機序、各臓器がんにおける遺伝子異常と分子標的治療、特にドライバー遺伝子が治療標的になること、コンパニオン診断薬と分子標的薬の開発、生険組織を用いた遺伝子検査の問題点、肺がんの遺伝子パネルの実践、そしてがんゲノム医療の課題等を概説。
 2の田原国立がんセンター東病院頭頸部内科長による「頭頸部がんの個別化治療」は、頭頸部扁平上皮癌では、再発・転位患者はCPSによって治療選択、遺伝子異常検査によって適切な治療選択、actionableな遺伝子異常は稀であること、甲状腺癌では、actionableな遺伝子異常は比較的高頻度、分子標的薬へのアクセスが課題、そして、個別化治療の課題として、遺伝子異常に基づく治療のエビデンス構築は難しく、個別化治療推進には初診時の遺伝子パレル検査が不可欠であることを強調。
 3の吉田教授による「New treatment strategies for gastric caner」では、胃癌化学療法のガイドライン、Stage III術後補助化学療法、Conversion therapy, ゲノム医療、5-FU耐性剤の機序と克服等が解説。
 4の市川教授による「大腸がん薬物療法の“個別化”」では、大腸がんの原発占拠部位、RAS/BRAF遺伝子検査、MSI検査による現在の個別化治療は、今後Liquid biopsyや遺伝子パネル検査によるより詳細な個別化治療へと進化することを強調。
 5の倉田教授による「肺がんの個別化医療」では、NSCLCの個別化治療の進化、2019年は肺がん診療ガイドライン、2020年以降の免疫チェクポイント阻害剤等を概説。
 6の佐伯教授による「乳がんの個別化治療」では、乳がんのEMT, 特にCDK4/6i耐性細胞におけるエリブリンによるEMTの変化、がんゲノム医療の憂鬱、Advance Care Planning、そして多職種チームの必要性を強調。

 以上、これらの講演に対するアンケート調査結果では、8割の参加者が、遺伝子パネル検査、主ながんの個別化治療について大変勉強になったとの評価がなされた。更には、この度のがん以外のがん、血液がん、膵がん等についての個別化治療についての講演の要請が寄せられた。